採用に関する面白いニュースを見ましたので、紹介したいと思います。
それは、大学事業などを手掛ける企業(デジタウハリウッド株式会社)が、
学生を面接する際に、面接官のプロフィールシート(履歴書)を
数日前に学生にも共有した上で、面接に臨んでもらうという
取り組みを始めているという内容のニュース。
その面接官のプロフィールシートには、
面接官の名前、職歴、社内でのキャリア、趣味や特技、自己PR、
仕事のやりがいなど学生の履歴書と遜色のない内容が記載されているとのこと。
この面接官の履歴書を発案に至ったのは、
企業側は学生の情報を知っているのに、
学生は面接官の下の名前すら知らないという
情報の不平等に違和感を覚えていたからとのことでした。
従来から採用面接は、
「企業が応募者を募り、選考し合否を決定する」イメージが強いですが、
売り手市場と言われる現代において、面接の場は
「求職者が就職先としてどうか、選考する場」でもあります。
一方的な採用面接のあり方に一石を投じるとともに、
面接担当者にも「選んでいるのではなく、選ばれている」という
意識を持ってもらう良い取り組みではないかと思います。
就職氷河期時代には「企業側が応募者を選ぶ」という時代がありました。
その頃には、いわゆる「圧迫面接」で、応募者の本音を引き出したり、
ストレス耐性やコミュニケーション力を確認したりという
今ではあまり考えられない方法がまかり通っていましたが、
売り手市場の今、そのようなパワーバランスはとっくに崩壊しています。
「圧迫面接」とまでいかなくても、企業として面接の対応を誤ってしまうと、
学生の採用の機会損失となるだけではなく、
企業としての信用や評判に悪影響が及ぼす可能性は高いでしょう。
確かに企業側が最終的には合否を決定する側面もありますが、
あくまで面接は「お互いにとって選考の場」であると
改めて考えさせられたニュースでした。
特に私たち中小企業は大企業に比べ、知名度も条件も良いわけではありません。
求職者に選んでもらえるような企業になるよう取り組み、
些細なことでも良いので努力していくことが大切です。