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「Less is more」 本当に大切なことは何か?

 |  デザイン

 

さて、今回は少しデザインのお話をしたいと思います。

 

世界三大建築家の一人、

1950年代頃から活躍されたドイツの

ミース・ファン・デル・ローエが残した言葉の中に

「Less is more」(少ない方が豊かである)という言葉があります。

 

「シンプルなデザインを追求し、

本当に必要なものだけに絞り込むことで、

より美しく豊かな空間が生まれる」

という意味の言葉ですが、

建築業界だけではなく、

私たちが行っているグラフィックデザインやWEBデザインなど

様々な分野に影響を与えた言葉です。

 

「Simple is best」や

「引き算の美学」 と言った言葉も、

同じ考え方の言葉です。

 

デザインあるあるですが、A4のチラシに

「あの情報も入れたい」、「この情報も入れたい」と

入れたい情報を盛り込んだ結果、ごちゃごちゃして

結局何を伝えたいかわからないチラシになってしまった…

というような経験はないでしょうか。

 

まさにこの “Less is more”

という考え方がピッタリくる場面です。

 

私たち多くの人間の思考は、

引き算よりも足し算を優先させる傾向にあるらしいですが、

逆にシンプルに表現し余計なものを取り除くこと、

つまり本当に必要なものだけにあえて絞り込むことで

効果を最大化する伝わる表現になったり、

人々を魅了する美しい表現になったりすることがあります。

 

ただ、この「Less is more」を考えるときに、

「シンプルなデザインこそが、良いデザイン」

「要素が少なければ少ないほど良い」

という考え方になってしまわないよう

注意は必要かなと思います。

 

「Less is more」 を考えるときに必要なことは、

「本当に大切なことは何か?」、

「目的は何か?」という考え方です。

 

例えば、スーパーのチラシをつくる際に、仮に目的を

「多くの消費者にたくさんの安い商品を求めて足を運んでもらう」としたときに、

情報を絞ったシンプルなチラシよりも、

目に留まる賑やかな情報量の多いデザインの方が良いデザインとなるでしょう。

 

その時に、「装飾」というデザインは、

足を運んでもらうために賑やかさを演出する

「必要なもの」と考えることができるでしょう。

 

このように、「本当に大切なことは何か?」、

「目的は何か?」を考えることは

デザイン制作に欠かせない考え方です。

何が必要で、何が不要かという判断の基準になります。

このことは、「Less is more」という考えに通じているように思いますし、

もちろんブランディングの際にも欠かせない考え方です。

 

今回は「Less is more」という

デザインするにあたって大切な考え方を紹介しましたが、

何か違うなと感じた時に、足し算ではなく、引き算で考えること、

「本当に大切なことは何か?」「目的は何か?」という原点に戻る

という考え方があることを頭の片隅に置いてもらえれば幸いです。

 

余談ではありますが、シンプルなデザインは、

一見して簡単に作れるかのように見えるかもしれませんが、

洗練されたシンプルなデザインとなると

決して簡単に作れるものではなく、

むしろ上級者のデザインになってきます。

簡素に見えるものが、簡単に作られたかというと、

それは多くの場合当てはまりません。

 

身近なところで言えば、皆さんが普段使っている名刺も、

実は作るのが簡単そうに見えて案外難しかったりします。

少ない要素でも美しくバランスが取れたレイアウトや

感情を揺さぶるためのアイデアだったりと、一見シンプルに見えて、

実は見た目からは想像できない程の時間と労力がかかっていたり、

熟練デザイナーの経験に裏付けされた技術や

これまでの努力の賜物であったりします。

このことを理解して周りのデザイン物を見てみると

また違った表情や違った一面を楽しめるのではないでしょうか。

 

今回は、簡単そうに見えて? 難しい。

だけどデザインするにあたって大切な

“Less is more” という考え方をご紹介させていただきました。

皆様の情報発信やデザイン、ブランディングなどの

企業活動の一助になればと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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